不動産におけるデューデリジェンスは、投資をしようとする不動産を次のようなことを中心に調査は大別すると、物理的調査、法的調査、経済的調査があり、最終的にはこれらの調査を元に、その不動産の取得の可否を判断します。調査内容は以下の通りです。

  • 物理的調査
    • 建物や建物に付随している設備の劣化を診断する建築設備劣化診断
    • その不動産を取得した場合に発生する修繕費を算出する短期・中長期修繕更★新準備費用算出
    • 同様の不動産を取得した場合にどの程度の費用がかかるかを計算する再調達★価格算出
    • 不動産が地域的に将来地震によってどのような被害が予想されるかどうかを★調査する地震リスク調査
    • 不動産の位置する地域において環境のリスクをチェックする環境リスク調査
    • 建物の現況をチェックする建物諸状況調査
  • 法的調査
    不動産に関わる法的なトラブルをチェックします。例えば境界線において訴訟問題を抱えていないかどうか、抵当権や賃借権が設定されていて、将来的なトラブルにならないかどうかということをチェックします。
  • 経済的調査
    対象不動産を取得することで、将来的にどの程度の価値が上昇をするのか、或いは賃貸に出した場合に、どれだけの収益を確保できるかといった対象不動産のマーケティング的な効果を調査します。
    以上の点を詳細にチェックすることで、客観的な視点で対象不動産の取得した場合のメリットやデメリットを判断します。

では、このように詳細に不動産をチェックするデューデリジェンスは、どういう目的で行われるのかということをご説明します。

対象不動産の現状を把握する

不動産を、物的に、法的に、経済的に調査分析をして、問題点を抽出して、その不動産を取得するメリットやデメリットを判断します。なお、このような分析をする際には、弁護士、税理士、公認会計士、不動産鑑定士といった専門家が関与することが多いです。

対象不動産の価値を把握する

対象不動産の位置する地域での取引事例や建物の劣化の程度を調査して、そこで積算した価格を算出して現状がいくら位の価格なのか、或いは、賃貸に出した時に賃料収入がどれだけあり、その場合にかかる修繕費や公租公課などを算出して、どれだけ経済的な価値があるのかを把握します。

不動産を保有した場合のシナジー効果を調査する

不動産を取得した場合には、収益といった経済的な価値だけではなく、その不動産を取得した際の建物がもつ影響力があるかということも調査をします。ここでは、不動産の問題点を積極的に抽出して、その問題点を修正して更に不動産としての価値をあげることで、不動産の投資効率を上昇させることが重要です。