不動産のデューデリジェンスを実施する場合には、先ず不動産の取得等するにあたり、非常に大きなお金が動くことになりますし、デューデリジェンスを委託する側としては、非常に大きな事業の一つとして、相当な覚悟でデューデリジェンスの実施を検討していますので、委託をされた側としても、そのあたりはしっかりと手順を踏んで実施することが重要です。

まずは不動産のデューデリジェンスを依頼する側と依頼された側を、法的に明確にする必要があります。ここで必要になる契約については

  • 基本合意書
  • デューデリジェンスに関する守秘義務契約書

この2つを通常先ず結びます。

基本合意書と守秘義務契約書

この場合に基本合意書においては、対象不動産についてデューデリジェンスをどの範囲まで行うのかということと、それに対する対価がいくらになるのかということをまずは決めます。これによってデューデリジェンスを依頼された側が、どういう条件でどういう成果物をいつまでに提出して、その作業と成果物に対して対価をいくら支払うかという取り決めをします。一般的には売買契約に近いものとなります。

次にデューデリジェンスにかんする守秘義務契約書ですが、デューデリジェンスを依頼した側が、不動産を取得をする計画を立てるということは相当な重要な考えがあってのことですから、委託を受けた側はこの調査をする上で知り得た情報を外部に漏らすということは、依頼をした側の利益を損なう結果を招く可能性がとても高いと言えます。そこで、双方がお互いを信頼するものの、契約において、お互いの取り決めを決めて、双方がこのやりとりで知り得た情報に対しては守秘義務が必要になりますので、当然ここで守秘義務契約が締結されます。

デューデリジェンスの実施計画書

基本合意書を締結したら、今度は、デューデリジェンスの委託を受けた側では、不動産のデューデリジェンスの実施に関する計画書を作成し、その作成したものを依頼者であるクライアントにプレゼンをします。そこでクライアントが納得をすれば、デューデリジェンスが実施されます。

デューデリジェンス報告書の作成と提出

クライアントから依頼を受けて、実施計画が承認されると、次に調査が開始されます。時間的なものについては基本合意書に沿ったものとなり、報告書については

  • 物的調査
  • 法的調査
  • 経済的調査

を行い、クライアントに提出をします。物的調査の報告書をエンジニアリング・レポートと呼んでいます。また、この段階で別途オプションと言う形で不動産鑑定書を作成することもあります。